PowerPlatformとは?|初心者向けおすすめ学習方法を紹介【無料】
PowerPlatformとは?初心者向けの学習方法も知りたい
PowerPlatformとは何かを調べている方、勉強を始めたいと思っている方向けに記事を用意しました。
箇条書きの3つの質問に回答します。
- Microsoft365(マイクロソフトサンロクゴ)とは?
- PowerPlatform(パワープラットフォーム)とは?
- 初心者におすすめ学習方法とは?
3つの質問は「私自身がPowerPlatformの勉強を始めた時にまず知りたかった事」です。
アナログ思考ではないのですが最初は3つとも全く分かりませんでした。
何から取り組んだらよいのか・・・いろいろ悩んでいました。
今では勉強が進み3つの質問に対して全て回答できるようになりました。
理解が進むことによって気付いたのは「この3つは一連の流れで学習した方が効率よい」という事です。
よって3つの要素に対しワンストップでソリューションを提供できる記事構成にしています。
まずは環境を整えましょう。本格的に勉強する前にこの記事で基礎をインプットしてください。
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PowerPlatform(パワープラットフォーム)でできること/できないことを提示しています。
各アプリでできる事を理解したうえで自分の仕事に展開するためのコツを紹介し解説しました。
Microsoft365とは?
PowerPlatformについて説明する前にMicrosoft365について説明します。
Microsoftの公式ドキュメントから情報を引用しました。まずはこちらをご覧ください。
Microsoft® 公式サイト | Microsoft 365:よく寄せられる質問より抜粋
非常に抽象的で分かりにくい内容ですがあえて掲載しています。理由は必要なことが書いてあるからです。
アンサーの中に「クラウド」というキーワードがあります。この「クラウド」がキーポイントです。
Microsoft365はクラウド上のデータ領域を使って皆様の生産性を向上させることができるアプリです。
一般的にはこのようなクラウド環境で提供されるサービス(製品)のことをSaaSと表現します。
SaaSとは
ChatGPTにSaaSについて聞いてみました。
クラウドについて知識があいまいな方やSaaSに興味がある方は折り込み内をご覧ください。
ChatGPT:SaaSそのものについてポイントを3つに絞ってかんたんに教えてくださいSaaSとは(クリックすると展開します)
SaaS(Software as a Service)は、ソフトウェアの提供方法の一つで、インターネットを介して利用者にソフトウェアを提供するサービスモデルです。
このモデルでは、ソフトウェアはクラウド上で実行され、ユーザーはウェブブラウザや専用のアプリを通じてアクセスします。
SaaSの特徴は以下の通りです:
- アクセスの容易さ: SaaSはインターネットを介して提供されるためソフトウェアのインストールや更新が不要です。利用者はウェブブラウザを開くだけでアプリにアクセスできます。
- 柔軟性と拡張性: SaaSは通常サブスクリプションベースで提供され必要に応じて利用料金を支払います。ユーザー数や必要な機能に応じてサービスをスケーリングすることができます。
- セキュリティとメンテナンス: SaaSプロバイダーはセキュリティやシステムのメンテナンスに責任を負っています。データのバックアップやセキュリティの更新などの作業は、プロバイダーが行います。これにより、ユーザーは安心してソフトウェアを利用できます。
SaaSは企業や個人にとってさまざまな利点を提供しソフトウェアの利用をより効率的かつコスト効果的にすることができます。
参考:総務省管轄の情報通信白書へのリンク
公的な情報へのリンクも掲載しておきます。こちらにSaaSの解説が用意されています。
画像で理解する
得た知識を実際の仕事に置き換える為に画像を用意しました。SaaSを普段の仕事に当てはめてみます。
クラウド化前の環境を向かって左、クラウド化後の環境を向かって右という認識で画像をご覧ください。
雲(クラウド)はネットワーク上に用意されたデータやAppを格納することが出来る空間だと思ってください。
画像はでクラウド化のメリットを提示しています。各PCから固有データへの保存、共有が可能となります。
加えて使用に応じた料金を払うことで最新の環境が手に入ります。セキュリティの心配もなくなりますね。
極論になりますが各PCではアプリケーションすら持たなくてもよくなります。
Microsoft365を導入することでこの環境(クラウド環境)を手に入れ運用することができます。
データの共有化が進めば各PCのデータ量が減るのと同時に仕事自体を削減することができます。
同じデータを各自で持って各自で更新する必要はなくなりますね。
PowerPlatFormとは?
PowerPlatformはMicrosoft365が提供するSaaS環境で動くアプリケーション群です。
Appの構築やデータの分析、ワークフローの自動化をローコードで実現するプラットフォームです。
このプラットフォームには2024年05月時点では4つのアプリケーションが所属しています。
PowerPlatform自体がアプリケーションだと思っている人も多いのですが間違いです。ご注意ください。
追加情報:PowerPlatformでは業界注目のAIとのコラボレーションも始まります。
プラットフォーム内のアプリがAIアプリと統合されます。これで業務効率化がより加速することでしょう。
5つ目のAppであったMicrosoftPowerVirtualAgentsはMicrosoftCopilotStudioに統合されました。
お知らせ (リンク先は英文です。翻訳ツールをご用意してからご覧ください)
各アプリケーションはMicrosoft365の環境内で使用可能となります。(価格等詳細はライセンスを確認)
基本的にはエンタープライズプランで使用することができるアプリケーションとなっています。
以降各アプリケーションについて簡単にできることを紹介していきます。(詳細は読み飛ばし可)
PowerApps
PowerAppsはスマホアプリのような「アプリケーションを自作することができる」アプリです。
もちろんPCでも使用可能ですよ。詳細は折りたたみ内をご覧ください。
詳細:PowerApps(クリックすると展開します)
- ビジュアルから連想できるアプリケーション作成:直感的なアプリケーション作成環境を提供してくれます。具体的にはドラッグ&ドロップの操作です。かんたんな操作でフォーム、ギャラリー、チャートなどのコンポーネントを追加し、スピーディーにデザインをカスタマイズできます。開発者でなくても簡単にアプリを作成できます。
- シームレスなデータ統合:さまざまなデータソースからデータを取得しアプリに統合することができます。SharePoint、Excelなどの主要なデータソースとの連携が可能です。ユーザーは1つのアプリ内で複数のデータソースからの情報を容易に操作することができます。
- モバイルフレンドリー:モバイルフレンドリーなデザイン環境を構築することができます。作成したアプリは、モバイルデバイスですぐに利用できます。さらに、モバイル端末の機能(カメラ、GPSなど)を活用したアプリも容易に作成できます。これによりフィールドでの作業やモバイル環境での情報収集が効率化されます。
PowerAutomate
PowerAutomateは「アプリケーション間の操作、処理を自動化させることができる」アプリです。
デスクトップ版もありますが今回はクラウド版の説明となります。詳細は折りたたみ内をご覧ください。
詳細:PowerAutomate(クリックすると展開します)
- 操作の自動化:基本的にはRPAツールだと思ってください。ルーチンワークや繰り返しタスクを自動化するための柔軟な手段を提供します。承認ワークフロー環境の構築、電子メールの受信、ファイルの更新、Webサービスへのリクエストなど、さまざまなトリガーに基づいてアクションを実行できます。よって作業の効率化と生産性の向上が実現されます。
- 各アプリケーションとの連携による情報の統合:異なるアプリケーションやサービスをコネクタを使ってシームレスに情報を統合させることができます。Microsoft 365、Dynamics 365、Salesforce、Twitter、Slackなど、多くのサードパーティアプリケーションとの連携が可能です。具体的にはTeamsをチャットボットのように使うことができるようになります。この様にデータやワークフローを簡単に共有し業務プロセスをスムーズに統合できます。
- アクションの自動化と条件付きロジック:さまざまなアクションを自動化し複雑な条件付きロジックを適用することができます。例えば特定の条件が満たされた場合に特定のアクションを実行したりフォームの入力をトリガーとしたワークフロー環境を構築することができます。具体的にはExcelの関数のようなかたちで指示をすることになります。
PowerBI
PowerBIは少し違った表現をします。「ExcelのPowerQueryとグラフを合わせて進化させた」アプリです。
詳細は折りたたみ内をご覧ください。
詳細:PowerBI(クリックすると展開します)
- リアルタイムデータ分析:リアルタイムでデータを分析しダッシュボードやレポートにリアルタイムのデータ更新を反映させることができます。リアルタイムのデータストリームからデータを収集しそれをダッシュボードやレポートに統合することができます。ユーザーは常に最適、最新のデータを参照して迅速な意思決定が可能になります。経営層向けにデータを作成している方には特におすすめのツールです。
- 高度なデータ視覚化:豊富なデータ視覚化オプションを提供します。チャート、グラフ、マップ、表など、さまざまなビジュアルコンポーネントを使用してデータを効果的に可視化することができます。さらにカスタムビジュアルやダッシュボードの設計における柔軟性も高いのでユーザーは自分のニーズに合わせてデータを視覚化することができます。
- 高度な分析と予測:高度なデータ分析や予測分析を行うためのツールも提供しています。ユーザーはデータのトレンドやパターンを探索し複雑なデータモデルや関係を作成してデータを分析することができます。また統計的手法や機械学習アルゴリズムを使用してデータから予測モデルを構築し将来のトレンドやパフォーマンスを予測することも可能です。
PowerPages
PowerPagesは「WordPressで作る様なWebサイトを作る事ができる」アプリです。
詳細は折りたたみ内をご覧ください。
詳細:PowerPages(クリックすると展開します)
- コンテンツの集約と統合:組織内および外部のさまざまな情報源からのコンテンツを1つの場所に集約します。SharePoint、OneDrive、Microsoft Teams、外部Webサイトなどのさまざまなソースからのコンテンツを容易に統合できます。よって情報の検索とアクセスが効率化され、生産性が向上します。
- カスタマイズ可能なドキュメントテンプレート:カスタマイズ可能なドキュメントテンプレートを提供します。これにより特定のビジネスプロセスやニーズに合わせて、標準化された文書を作成することができます。例えば、契約書、レポート、プレゼンテーションなど、さまざまな種類のドキュメントを作成、共有することができます。
- 共有とコラボレーションの促進:チームや組織内での共有とコラボレーションを促進するためのツールです。ドキュメントの共有など、さまざまなコラボレーション機能を提供します。またMicrosoft TeamsやOutlookなどのMicrosoft 365アプリケーションとの統合も強化されておりチームメンバーとの連携を円滑にしてくれます。
画像で理解する
Microsoft365と同じように得た知識を実際の仕事に置き換えてみましょう。
ライセンス次第ですがMicrosoft365を導入しただけではクラウド環境を手に入れただけにすぎません。
PowerPlatformに属する各種Appを使うことで各PCとクラウド間の操作を自動化、多様化、見える化できます。
具体的には以下のようなことが出来るようになります。
- PowerAppsでアプリケーションを用意し入力補助を行うことができる(多様化)
- PowerAutomateで各Appをまたいで操作を行うことができる(自動化)
- PowerBIで毎月用意されるデータから会議に使うダッシュボードを作成することができる(見える化)
データをクラウド化したうえで操作を自動化できれば手作業を大幅に減らすことができるので現場レベルで業務効率化が進みますね。
4つのアプリケーションに共通するデメリット
今までは便利になる、効率が上がるという方向性だけで記事を書いてきましたが当然デメリットもあります。
PowerPlatformに属するアプリケーション群はどれも「難しい」です。ここで一例を挙げてみます。
- 参加人数と開催時間:約8人ほどの参加者で4時間程度
- カリキュラム:前半2時間はPowerApps(初級)、後半2時間はPowerAutomate(初級)
- トレーニングの内容:基本的にはハンズオン形式で「作業⇒解説」という流れで進む
一見時間も内容もちょうど良さそうなミーティングですが後半は質問が続き全く進まなくなります。
理由は以下のようなミスや依頼が発生(多発)してインプットに時間を使う事ができなくなりました。
- コーディングのエラー(全角、半角のミスや文字の誤入力など)
- 環境のエラー(SharePointと接続できていないなど)
- スピードについていけないので再度説明を求める(単純な理解不足)
半数以上の参加者が作業を追いかけるだけでミーティングの内容を理解していない様に見えました。
プログラミング未経験者がいきなりPowerPlatformの環境に飛び込むのは大変だろうなと感じた事例でした。
実際にアプリを操作してみると表現が大袈裟ではない事が分かります。
簡単ではないですよ。勉強は継続が必要になります。
初心者におすすめ学習方法とは?
クラウド環境のなかでノーコード、ローコードで業務環境を構築するという事は分かってきました。
しかし「どんな講座で勉強するのか?」、「研修はあるの?」、「独学では大変なのでは?」と感じませんか。
問題を解消する為におすすめのトレーニングを紹介します。まずは主催している会社を紹介していきます。
MICUG
MICUG社はPowerPlatformに属するアプリケーションのトレーニングなどを主催している会社です。
MICUG(マイカグ)は、Microsoft Cloud を話題に相互に交流する事を目的として構成されたエンタープライズコミュニティです。
MICUG社HP:MICUGについて より引用
日々のMicrosoft Cloudを利用する中でより高度な活用、お客様、パートナー企業の相互交流を深め、それぞれの企業が持つ経験やノウハウを共有し、開発者、市民開発者、IT Pro、インフラエンジニア、データサイエンティスト、CCoE(Cloud Center of Excellence)などのクラウド導入管理・展開計画者のコミュニケーションを支えることを大きな目的としています。
詳細はHPにアクセスしていただき内容をご覧ください。資料はたくさん揃っていますよ。
現在MICUG社ではPowerPlatformに関するイベントは開催されていない様です。
また開催される可能性もありますので興味がある方はサイトをチェックする様にしてください。
現時点ですがPowerPlatformに関してのイベントは予定されておりません。
イベントが企画されました際には MICUGサイト上にてのご案内となります。
MICUG社からのメールの一部を抜粋
MICUG社のトレーニングをおすすめする理由
私がMICUG社のトレーニングをおすすめする理由はこの3つです。
- 無料で誰でも参加できる(基本はオンラインミーティング)
- Webミーティングですが一定期間は何度でも視聴することができる
- 別途質問をすることができる
特筆すべきは「費用ゼロ」です。無料で技術支援を受けられます。
私が受講したトレーニング
こちらのトレーニングです。
PowerApps、PowerAutomate、PowerBIのトレーニングを受けることができます。
Power Platform Onboarding Center アプリ開発コース (4時間×約10回のミーティングです)
毎月新しいトレーニングがリリースされるのであえてリンクは用意しません。
「MICUG Power Platform」 で検索すると画面内にたくさん表示されるので分かるはずです。
受講にあたり気を付けること
対応するべきは2点です。(1点はマスト)
- 事前にログイン環境の構築(登録)+予約が必要
- SharePointでどんな事ができるのかを知っておいた方がよい
この2つに気を付けることで充実したトレーニングを受けることができます。
PowerPlatformを勉強し自力で社内の「DX人材」になろう!
SharePointについて知っておいた方が良い理由
PowerAppsやPowerAutomateのトレーニングの中でSharePointを使用する為です。
序盤に説明はありますが操作説明のみでSharePoint自体の説明は無いです。
事前にパワーを使いますが知っておくと余計なストレスがかからないです。ご検討ください。
参考にSharePointとTeamsを連携させてチームサイトを作る方法を紹介した記事を用意しておきます。
SharePointの構成を理解したい方はこちらをご覧ください。
まとめ
PowerPlatformについて説明しました。一緒にMicrosoft365についても勉強していただきましたね。
いきなりPowerPlatformを勉強してもよいのですが勉強をする前には環境について知ることは非常に重要です。
今回のケースで言えばPowerPlatformを理解する前にクラウド環境について理解する必要があります。
本ブログでは「やる事を絞って最短距離を走るのではなく関連事項も丁寧に説明」していきます。
余談:私がPowerPlatformの勉強を始めた理由
端的に申し上げますと弊社の会社方針からです。勤めている会社から以下箇条書きのような指示がありました。
- 基幹システムがMicrosoft365に切り替わります
- 以降自部門の仕事はPowerPlatformを使い自力で開発してください
- Aという期日にはシステムが切り替わるので各自勉強して下さい(最低レベルの教育は用意します)
私はポジティブに「これは働き方改革」だなと受け取り気軽な気持ちで勉強を始めました。
部門内の推進担当などに任命されたわけではなくスキル習得が必要だと感じて自発的に取り組んでいます。
問題、課題はありますが幸いプログラミングをやっているので比較的容易に勉強をすすめられています。
社外でも使える専門知識を学んでくださいと言われているので断る理由はないですよね。